皇服茶は、六波羅蜜寺で元日の1月1日から1月3日まで参詣者に振る舞われる新年の祝儀茶です。若水で茶を沸かし、小梅干と結び昆布を加えたものを本尊に供えた後、参詣者に振る舞い、1年の無病息災を願います。
かるた始め式は、毎年1月3日に八坂神社で行われ、平安装束の十二単を着た「かるた姫」や童子、童女らが百人一首の手合わせを披露します。この行事は八坂神社の能舞台で行われます。
毎年1月7日、人日(じんじつ)の節句の日に上賀茂神社で行われる災いを除くための神事です。年の始めに白馬を見ると一年の邪気が払われるとされた宮中の「白馬節会(あおうまのせちえ)」に由来しています。本殿の扉を開き、七草粥と七草の若菜を供え、神馬を引いて祭神にお見せします。
上賀茂神社で、毎年1月14日に行われる神事です。かつて神社の領地であった賀茂六郷から、各郷が一台ずつの御棚に私饌や魚類の神饌を盛って、お供えしたことに由来しています。現在も古来の儀式の形を受け継ぎながら、神社で調製された一台の御棚が献上され、厳かに執り行われています。
1月15日の小正月の朝、神前に小豆粥を供えて五穀豊穣と国家の安泰を願う儀式です。この儀式は、本殿の御戸扉を新年で初めて開き、御内陣に神饌をお供えすることから「御戸開神事(みとびらきしんじ)」とも呼ばれています。この日は、小豆と白米を使った紅白の粥が神前に供えられます。
上賀茂神社では、毎年1月16日に「武射神事」が執り行われます。本殿での神事の後、境内に設けられた射場で、裏に「鬼」の字が書かれた的を射抜き、1年間の災い除けを祈願します。この神事は、平安時代に宮中の建礼門(けんれいもん)前で行われていた、除魔のために弓を使った「射礼の儀(じゃらいのぎ)」を起源としています。
廬山寺を開基した元三大師(がんざんだいし)が修法中に邪魔をした3匹の鬼を法力で退治したという故事にちなんで行われる節分会です。この日には、元三大師が鬼を退治したとされる「独鈷・三鈷(どっこ・さんこ)」や、大師が宮中で使用したと伝わる「降魔面(ごうまめん)」が特別に公開されます。
吉田神社の節分祭は、毎年2月3日を中心に前後3日間にわたって行われます。この時期、約50万人もの参拝者が境内を訪れ、特に2月3日の追儺式(鬼やらい神事)では、多くの人たちで賑わいます。
平安神宮の節分祭は、毎年2月3日に行われます。平安時代、宮中で行われていた鬼(邪気)払いの儀式「鬼やらい(追儺)」を再現した大儺之儀(だいなのぎ)を中心に、狂言奉納や火焚神事が行われます。
紀元祭は、毎年2月11日に上賀茂神社で執り行われる神事で、初代天皇である神武天皇の即位を祝うものです。当日は本殿の扉が開かれ、神饌が供えられ、神武天皇の建国の偉業を称えるとともに、皇室の繁栄、国家の安寧、国民の平和が祈願されます。また、この日には蹴鞠や剣道、空手などの奉納が行われます。
上賀茂神社の燃灯祭は、毎年2月の2番目の子(ね)の日に行われる神事で、平安時代に宮中で行われていた「子の日遊び」に由来しています。春を待ちきれず、野辺に出て小松を引き、若菜を摘み、歌を詠む風習がその起源です。
上賀茂神社で行われる流し雛は、毎年3月3日の桃花神事の後に執り行われます。願い事を書いた短冊を、病気やけがれを移すとされる紙製の雛人形に添えて、ならの小川に流し、無病息災を祈願します。最初に巫女が雛人形を流し、その後に神職や訪れた人々も雛人形を流します。
毎年3月3日のひな祭りには、下鴨神社の井上社(御手洗社)で「流し雛」が執り行われます。公募で選ばれた男女が男雛と女雛の装いをし、桟俵(さんだわら)に乗せた雛人形を御手洗池に流します。
毎年4月1日に行われている上賀茂神社の第八摂社である久我神社の春の例祭です。祭典中に上賀茂神社の神馬「神山号」が拝殿の周りを三度回る「牽馬の儀(ひきうまのぎ)」が行われます。
桜花祭は、平野神社の祭りで、毎年4月10日に開催されています。この祭りは、花山天皇が平野神社へ行幸した際に桜を手植えしたことに由来し、臨時祭として始まりました。
賀茂曲水宴(かもきょくすいのえん)は、毎年4月第二日曜日に上賀茂神社の渉渓園(しょうけいえん)で行われています。「ごくすいのえん」とも呼ばれ、平安時代に宮中で催された遊宴を再現したものです。
葵祭の前儀として行われる神事です。葵祭の日に仕える斎王代が下鴨神社境内のみたらし池で水に手を浸し、身を清める(穢れを祓う)御禊(みそぎ)を行います。この神事は1年ごとに上賀茂神社と下鴨神社で交互で行なわれています。
葵祭は、正式には賀茂祭という上賀茂神社(賀茂別雷神社)と下鴨神社(賀茂御祖神社)の例祭です。以前は宮中の儀、路頭の儀、社頭の儀の三つの儀式からなっていましたが、現在は宮中の儀は行われていません。総勢500名以上で、かつての王朝絵巻のような行列を再現し、京都御所から下鴨神社へ向かい、その後、上賀茂神社に至ります。
智積院の青葉まつりは、毎年6月15日に行われる、弘法大師空海(こうぼうだいしくうかい)と、中興の祖である興教大師覚鑁(こうぎょうだいしかくばん)の誕生日を祝う行事です。6月は緑が美しい季節ということから「青葉まつり」と名付けられました。金堂での法要の後、柴燈護摩道場で柴燈大護摩供法要が執り行われます。
立秋の前日にあたる8月6日に行われ、今年一年の厄を払い、無病息災を願います。別名「矢取り神事(やとりしんじ)」ともいわれます。矢に見立てられた斎串(いくし)を、裸男(はだかおとこ)と呼ばれる男たちが境内の御手洗池で取り合います。
毎年9月9日、上賀茂神社で行われる重陽節句(ちょうようのせっく)の本殿神事の後に執り行われる神事です。細殿前に設けられた土俵で、刀禰(とね)が烏の鳴き声を模倣し、その後、小学生の児童たちが禰宜方(ねぎかた:左)と祝方(ほうりかた:右)に分かれて相撲を奉納します。
毎年9月9日にカード感謝祭が行われています。身分証明書やクレジットカード、診察券など、役目を終えたカードに感謝の意を込めて供養します。カードを使うことで生じる災厄から身を守るために始められました。
毎年9月9日、法輪寺では重陽の節句を祝い、延命長寿や無病息災を祈る法要が行われます。この日は、本堂に「菊の着綿(きせわた)」にちなんで菊慈童像(きくじどうぞう)が祀られ、色とりどりの綿が被せられた3本の菊が飾られます。
毎年9月10日は、江戸時代中期の画家・伊藤若冲の命日であり、石峰寺で「若冲忌」と呼ばれる法要が行われます。この日は、本堂での回向(えこう)に続いて、お墓での墓前回向が行われ、参拝者も自由に焼香を捧げることができます。さらに、若冲の貴重な掛け軸が一般公開されます。
宝永祭は、六孫王神社の例祭で、毎年10月のスポーツの日に行われています。神輿巡行では、4匹の鬼が邪気を払い清めながら先頭を進み、その後に弓矢、太刀、神輿が続いて氏子町を巡ります。1707年(宝永4年)の神輿再興を契機に、例祭は「宝永祭」と呼ぶようになりました。
鞍馬の火祭は、京都三大奇祭の1つに数えられる由岐神社の例祭で、毎年10月22日に行われます。街道には篝火(かがりび)が焚かれ、男衆らが「サイレイヤ、サイリョウ」の掛け声とともに松明を担いで練り歩きます。
かぼちゃ供養(かぼちゃ焚き)は、冬至の時期に寂光院で3日間にわたり行われる行事です。約10年前に始まったこの催しは、京都に古くから伝わる風習に基づいています。
除夜の鐘試し撞きは、知恩院で12月27日に行われるもので、大晦日の本番さながらに行われる行事です。除夜の鐘を成功させるための試し撞きです。
京都の1年を締めくくる風物詩である「除夜の鐘」。これは、新年を迎えるにあたって、人間の108の煩悩を祓うために鐘を108回撞く伝統行事です。この除夜の鐘を一般の方も体験できる寺院をいくつかご紹介します。