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上賀茂神社 賀茂曲水宴

かみがもじんじゃ かもきょくすいのえん

上賀茂神社の賀茂曲水宴

賀茂曲水宴(かもきょくすいのえん)は、毎年4月第二日曜日に上賀茂神社の渉渓園(しょうけいえん)で行われています。「ごくすいのえん」とも呼ばれ、平安時代に宮中で催された遊宴を再現したものです。平安装束に身を包んだ男女が、庭園を流れる遣水(やりみず)の前に座り、上流から朱色の杯をのせた羽觴(うしょう)が流れてくる前に、葵祭の斎王代が示した歌題に沿って即興で和歌を詠み、披講します。


元々のルールでは、羽觴が歌人の前を通り過ぎるまでに和歌を詠まなければならず、詠めない場合は杯を取って酒を飲むというものでした。しかし、上賀茂神社での賀茂曲水宴では、このルールが緩和され、和歌を楽しみながらゆったりと酒を味わうスタイルで行われています。


起源は中国の周の時代にまで遡り、3月の上巳の日に水辺で行われた禊祓え(みそぎはらえ)の行事にあります。485年(顕宗天皇元年)に日本に伝わった際には、和歌を詠む宴会としての要素が強調され、現在の形に発展しました。

正式名称賀茂曲水宴(かもきょくすいのえん)
日時4月第2日曜日 13:00~
場所〒603-8047京都府京都市北区上賀茂本山339
拝観有料
問い合わせ075-781-0011
地図

上賀茂神社 賀茂曲水宴の見どころ

斎王代が歌題を披露する様子
斎王代
さいおうだい

斎王代が、その年の歌題を披露します。斎王代は葵祭で選ばれ、その役目の締めくくりとして賀茂曲水宴に参加します。

歌人が和歌を短冊に書く様子
歌人
かじん

歌人たちは歌題に沿った和歌を考え、短冊に書き記します。書き上げた歌人のもとには、羽觴(うしょう)を使って盃が運ばれ、酒が振る舞われます。

 
 

短冊は神職によって回収され、その後、冷泉家時雨亭文庫(れいぜいけしぐれていぶんこ)の方が和歌を詠み上げます。冷泉家時雨亭文庫とは、冷泉家に伝わる文化財を保存・管理するために設立された財団法人です。

曲水宴で使用される羽觴
羽觴
うしょう

曲水宴で使用される、鳥の形をした船のことです。その上に朱色の杯が乗せられ、庭園内の水路(遣水)に浮かべて流されます。

棒を使って羽觴を流す童子
童子
どうじ

羽觴(うしょう)がスムーズに流れるように、棒を使って調整します。

賀茂曲水宴の歴史年表

1182年
(寿永元年)
3月3日、神主の重保が当時の歌人15、6人を招いて、曲水宴を催した。このときは和歌のみが披露された。
1526年
(大永6年)
細川高國が境内の姥ヶ懐(うばがふところ)で曲水宴を催した。このときは和漢連句が詠まれた。
1560年
(昭和35年)
境内に渉渓園が作庭され、曲水宴が再興される。その後、2年余りで途絶える。
1994年
(平成6年)
賀茂曲水宴は復活し、以降、毎年4月の第二日曜日に開催されるようになった。