貴船神社雨乞祭
きふねじんじゃ あまごいさい

貴船神社の雨乞祭は、毎年3月9日に執り行われる伝統的な神事です。農作業が始まる季節を前に、適度な降雨がもたらされ、五穀が豊かに実るよう祈願するものです。
かつては旧暦2月9日に行われ、本殿での神事の後、奥宮へ参拝し、貴船山にある「雨乞の滝」(別名:竜王の滝)で祈りを捧げていました。そこでは、「大御田のうるほふばかり堰き止めて井関に落とせ川上の神」という和歌を奉納し、滝の水をせき止めた後、神職にその水をかけることで降雨を願ったと伝えられています。この神事には「滝の水を浴びた神職には必ず雨が降る」という信仰があり、かつては白装束の神職に泥水をかける儀式も行われていました。
さらに、三段に分かれて流れ落ちる滝のそれぞれに、一升ずつ酒を注ぎ、雨を願う風習もあったといわれています。現在、雨乞の滝は神聖な禁足地とされ、立ち入ることはできませんが、貴船神社には今もなお、恵みの雨を祈る人々の思いが受け継がれています。
正式名称 | 雨乞祭 |
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日時 | 毎年3月9日 10:00 |
場所 | 貴船神社本殿:〒601-1112 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180 |
観覧 | 無料 |
問い合わせ | 075-741-2016 |
地図 | |
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貴船神社雨乞祭の見どころ
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本殿神事
ほんでんしんじ
10:00頃より本殿にて神事が執り行われ、祝詞が奏上されます。

雨乞の儀式
あまごいのぎしき
水を満たした桶に酒と塩を加え、よくかき混ぜます。次に、榊の枝を用いてその水を天へと振りまきます。水を振りまく際には、鉦や鈴、太鼓の音が響き渡り、「雨たもれ、雨たもれ!雲にかかれ、鳴神じゃ!」と唱えながら祈願が行われます。

絵馬焼納式
えましょうのうしき
本殿から運ばれた神聖な火を積み上げられた絵馬に灯し、神職一同で「大祓詞(おおはらえことば)」を唱えます。約20分にわたり大祓詞を繰り返し奏上し、儀式の締めくくりとして、絵馬に塩と酒を供えます。
貴船神社雨乞祭を
実際に体験してみた感想
本殿の前には、観覧用に50人くらい座れるパイプ椅子が用意されていたと思います。でも、神事が始まる30分前には、前の方の席はすでに埋まっていましたね。
その後、神事が始まる頃には、本殿前の境内は観光客でいっぱいになっていた記憶があります。もし神事をしっかり見たいなら、なるべく早めに訪れるのがおすすめです。
雨乞祭の後には「絵馬焼納式」も行われますが、こちらは比較的ゆっくり見ることができるので、最後まで神事を楽しみたい方にはいいかもしれません。
参考
貴船神社公式ウェブサイト、京都大辞典、京都古社寺辞典、昭和京都名所圖會 3 洛北
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