木野愛宕神社 烏帽子着(袴上げの儀)
きのあたごじんじゃ えぼしぎ(はかまあげのぎ)

木野愛宕神社の「烏帽子着(えぼしぎ)」は、男子の成人を祝う伝統行事であり、宮座の儀式のひとつとして行われています。例祭のあと、拝殿の東西に座した宮座の構成員に対して、16歳を迎えた男子が饗応役となり、紋付きに裃(かみしも)姿で盃や肴を配り、銚子で酒を注ぎます。この儀式を経て、男子は正式に大人の仲間入りを果たすとされています。現在、市の無形民俗文化財に指定されています。
もとは長男のみが烏帽子着に参加できる決まりでしたが、時代とともにその形は変わり、現在では町内外を問わず、16歳になる男子であれば参加することができるようになっています。
| 正式名称 | 烏帽子着(えぼしぎ) |
|---|---|
| 日時 | 10月23日 20:00 |
| 場所 | 木野愛宕神社:〒606-0016 京都府京都市左京区岩倉木野町266 |
| 観覧 | 無料 |
| 問い合わせ | - |
| 地図 | |
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木野愛宕神社 烏帽子着(袴上げの儀)の見どころ
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愛宕神社例祭
神事は夜20時から始まります。神前には、赤飯や栗、柿、鶏頭(けいとう)、菊、そして季節の野菜などを盛り付けた30余りの供え物が並べられます。燈明や提灯のやわらかな灯りのもと、厳かに儀式が執り行われ、五穀豊穣と地域の安寧が祈願されます。

盃を配る
さかずきをくばる
愛宕神社の例祭の後には、16歳を迎えた男子の烏帽子着が行われます。はじめに、拝殿の東西に座する宮座の構成員へ盃である「かわらけ」を配ります。

肴の昆布を配る
さかなのこんぶをくばる
続いて、肴として昆布を配ります。受け取る側は、扇を広げてこれを受けます。

銚子で酒を注ぐ
ちょうしでさけをそそぐ
次に銚子を手に酒を酌み、宮座の構成員に振る舞います。

謡曲「高砂」を歌う
ようきょく「たかさご」をうたう
宮座の構成員が、謡曲「高砂」を謡います。

肴のするめを配る
さかなのするめをくばる
続いて、肴としてするめを配ります。受け取る側は扇を広げてこれを受けます。その後、再び酒が配られ、宮座の構成員によって謡曲「四海波(しかいなみ)」が謡われます。さらに酒が振る舞われたあと、同じく宮座の構成員によって謡曲「千秋楽」が謡われます。最後に全員で一拝の儀が行われ、烏帽子着はお開きとなります。
木野愛宕神社 烏帽子着(袴上げの儀)の歴史年表
| 1873年 (明治6年) | 毎年9月20日の亥の刻(21時~23時頃)に行われていたが、この年から10月23日の夜に変更。 |
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参考
木野愛宕神社-木野愛宕神社氏子会(公式ウェブサイト)、洛北岩倉研究 第2号、京都府立大学文化遺産叢書23「文化財の保存活用と地域コミュニティ」
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