清涼寺お松明式

せいりょうじおたいまつしき

清涼寺お松明式

清涼寺のお松明式は、毎年3月15日に行われる伝統行事です。本堂にて涅槃会の法要が執り行われ、その後、境内に立てられた高さ約7メートルの3本の大松明に火が灯されます。稲作の豊凶を占うものとされ、燃え方によってその年の収穫を予測します。

3本の大松明は、それぞれ「早稲(わせ)」「中稲(なかて)」「晩稲(おくて)」を象徴し、稲の成長する時期を表しています。炎の勢いや燃え残りの具合を観察することで、その年の米の実りを占うのです。

このお松明式は、京都三大火祭の一つに数えられています。また、3月15日は釈迦の命日(旧暦2月15日)にもあたり、もともとは釈迦の荼毘(だび)の様子を表現したものとも伝えられています。

正式名称嵯峨の御松明
日時毎年3月15日
場所清凉寺:〒616-8447 京都府京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46
観覧無料
問い合わせ075-861-0343
地図

清涼寺お松明式の見どころ

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護摩木厄除祈願
護摩木厄除祈願
ごまぎやくよけきがん

10時頃から、本堂にて護摩木厄除祈願が執り行われます。

大松明立柱式
大松明立柱式
おおたいまつりっちゅうしき

11時頃になると、本堂前の広場に置かれた大松明が立てられます。まず、僧侶が大松明を立てるための3箇所の穴を清め、読経が行われる中、クレーンを用いて大松明を垂直に立てます。倒れないよう、3方向から木でしっかりと支えられ、1本の松明を立てるのに約30分ほど要します。

紅提灯のおみくじ
紅提灯のおみくじ
べにちょうちんのおみくじ

15時頃、本堂では「おみくじ」によって紅提灯の高低が決められます。1年12ヶ月に「うるう年」の1つを加えた計13個の提灯の高さを決定するものです。提灯の表面には番号が記され、裏面には町名などが書かれており、地域や組織を表しています。僧侶が順番に番号の書かれたくじを引き、その数字をグラフ用紙に記入し、月ごとの折れ線グラフを作成します。江戸時代には、提灯の高さをもとに米の相場を占っていました。

嵯峨大念仏狂言
嵯峨大念仏狂言
さがだいねんぶつきょうげん

15時30分頃から、境内にある狂言堂にて「嵯峨大念仏狂言」が上演されます。この狂言は、国の重要無形民俗文化財にも指定されており、拝観は無料です。演目は毎年異なり、公演は18時30分頃に終了予定です。

涅槃会大法要
ねはんえだいほうよう

19時頃から、本堂にて涅槃会大法要が執り行われます。法要の後、幅4メートル・縦6メートルにも及ぶ巨大な大涅槃図の前で説法が行われます。涅槃図には、釈迦が臨終を迎えた様子が描かれており、周囲には人々や動物たちが深い悲しみに暮れる姿が表現されています。

高張提灯
高張提灯
たかはりちょうちん

20時頃になると、護摩壇に火が灯されます。その後、高張り提灯を掲げた行列が、護摩壇と大松明の周囲を三周します。

お松明点火
お松明点火
おたいまつてんか

20時30分頃になると、いよいよお松明に点火されます。護摩壇の火種を長い竿に移し、大松明の上部から投げ入れることで、勢いよく炎が燃え広がります。

お松明
お松明
おたいまつ

高さ約7メートルの3本の大松明に火が灯され、夜空を赤々と照らします。松明は、それぞれ「早稲(わせ)」「中稲(なかて)」「晩稲(おくて)」を象徴し、稲の成熟する時期を表しています。燃え方によって、その年の米の収穫を占うとされています。また、お松明から舞い散る火の粉を浴びると、一年間無病息災で過ごせるといわれています。

清涼寺お松明式を
実際に体験してみた感想


 お松明式には2回行ったことがあります。初めて行ったときは、大松明を燃やす夜だけを見に行きました。運よくかなり前のほうで見ることができて、炎の迫力を間近で感じました。大松明から少し離れていても、熱が伝わってきてとても暖かかったです。

 2回目は昼間に行き、大松明を建てる様子や嵯峨大念仏狂言を観ました。狂言では3つの演目が上演され、最後に「土蜘蛛」がありました。土蜘蛛退治のシーンで、白い蜘蛛の糸が勢いよく投げられるのを見たとき、「これぞ狂言!」と感動したのを覚えています。

 お松明式のすべての行事を一度で楽しむのはなかなか大変なので、2回に分けて見るのがおすすめですよ。

参考

京都大辞典

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[1] 匿名さん さん 投稿日: 2025-03-15 21:25:34

今年は雨だから無理かなって思ってたけど、ちゃんと燃えてました!
普段よりもちょっと燃え方がおとなしめだったかもです。
雨でも見れてホントよかった!!