光照院

こうしょういん

光照院

光照院は、常盤御所(ときわのごしょ)とも称される浄土宗の尼門跡寺院です。1356年(延文元年)、後伏見天皇の皇女・進子内親王(しんしないしんのう/ますこないしんのう)によって、室町一条北の地に創建されました。創建当初は、天台・浄土・禅・律の四宗兼学(ししゅうけんがく)の道場として設けられ、のちに多くの皇女や公家の息女が入寺した由緒ある寺院です。

境内には、昭和天皇の即位大典で用いられた大嘗宮朝集所(だいじょうぐうちょうしゅうじょ)の一部を移築した常盤会館があり、当時の趣を今に伝えています。

また、寺内には、宮中から賜った調度品や人形など貴重な寺宝が数多く伝えられています。なかでも注目されるのが「お誕生人形」で、これは後に光照院門跡となった中御門天皇の皇女・亀宮(かめのみや)の誕生の際、産室を飾った様子を人形で再現したものです。宮廷文化の一端を今に伝える、他に類を見ない貴重な遺品として知られています。

正式名称光照院門跡
宗派浄土宗 知恩院派
本尊釈迦如来
所在地〒602-0064 京都府京都市上京区安楽小路町425
問い合わせ075-441-2254
拝観時期通常非公開
見学時間の目安30分
参拝順路特に決められていません
アクセス京都市バス「堀川寺ノ内」(9、12、67系統)下車 徒歩約7分
市営地下鉄烏丸線「今出川駅」下車 2番出口 徒歩約10分
駐車場あり
駐車場料金-
ご利益-
地図

光照院の見どころ


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山門
山門
さんもん

山門の脇には、「持明院仙洞御所跡(じみょういんせんとうごしょあと)」と刻まれた石碑が建っています。かつてこの地には、持明院家の邸宅がありました。

毘沙門堂
びしゃもんどう

毘沙門天をお祀りしており、毎年3月14日に特別に拝観することができます。

書院
しょいん

京都御所内にあった桂宮から移築されたものです。庭園には、樹齢およそ500年と伝わる五葉松「常盤の松」があります。

本堂
本堂
ほんどう

本堂には、本尊である清凉寺式釈迦如来立像が安置されています。鎌倉時代初期の作と伝えられ、清凉寺の釈迦如来立像を模したもので、頭髪や衣のひだ、裾の表現にその特徴が見られます。天井には、南画家・田能村直外(たのむら ちょくがい)による八十面の花天井が描かれています。本堂そのものは、1968年(昭和43年)に山中次郎氏の寄進によって再建されたものです。写真は、「京都非公開文化財 特別公開」の際の看板を写したものです。

常盤会館
常盤会館
ときわかいかん

昭和天皇の即位大典で用いられた大嘗宮朝集所(だいじょうぐうちょうしゅうじょ)の一部を移築したものです。写真は、「京の冬の旅」の際の看板を写したものです。

光照院の歴史年表

1356年
(延文元年)
後伏見天皇の皇女・進子内親王(自本覚公/本覚尼)が室町一条北に天台・浄土・禅・律の四宗兼学(ししゅうけんがく)の道場として創建する。
1477年頃
(文明9年頃)
後土御門天皇から安楽小路の持明院殿跡に寺地を与えられ、現在地に移転。一時、安楽光院(あんらくこういん)と称したが旧称に戻す。
1730年
(享保15年)
火災により焼失。
1752年
(宝暦2年)
桜町上皇により再建。
1788年
(天明8年)
火災により焼失。
1789年
(寛政元年)
光格天皇の下賜金によって復興し、あわせて常盤御所(ときわのごしょ)の称号を賜った。
1873年
(明治6年)
四宗兼学から浄土宗を専らとするようになった。
1968年
(昭和43年)
本堂が再建される。

光照院の年間行事

3月14日:善導忌

4月:降誕祭

10月:開山忌

参考

京都大辞典、京都・山城 寺院神社大辞典、別冊 旅の手帖 京の冬の旅 2020、第61回 京都非公開文化財特別公開 拝観乃手引

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[1] 匿名さん さん 投稿日: 2025-11-14 07:59:02

ニュースで知ったんですけど、300年前の人形の複製品を作っているそうです!来春には完成予定らしいので、近いうちにまた見られるかもと思うと楽しみです♪