平野神社
ひらのじんじゃ
平野神社は桜の名所として名高く、境内には約60種・400本以上の桜が植えられ、「平野の夜桜」として親しまれています。古くから「梅の北野」に対して「桜の平野」と称されてきました。
毎年4月に開催される桜花祭には、多くの参拝者が訪れ、賑わいます。桜の名所となったのは、寛永年間(1624~1645年)に西洞院氏が社殿の復興に尽力し、桜を植栽したことがきっかけです。
平野神社は、平城京の田村後宮から長岡京を経て、平安遷都に際して現在の地に遷座されました。祭神である今木神は本殿の第一殿に祀られており、「今」は「現在」を、「木」は「大きく太くまっすぐに育つこと」を表すとされています。第二殿には竈(かまど)の守護神である久度大神、第三殿には邪気を祓う古開大神、そして第四殿には子宝や良縁のご利益がある比賣大神が祀られています。
なお、今木神には異説もあり、「今来(新来)神」として桓武天皇の母・高野新笠(たかの の にいがさ)の父方の祖神(百済の聖明王)を祀ったとの説がありますが、神社側はこれを否定しています。
正式名称 | 平野神社 |
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祭神 | 今木皇大神(いまきすめおおかみ)、久度大神(くどのおおかみ)、古開大神(ふるあきのおおかみ)、比賣大神(ひめのおおかみ) |
所在地 | 〒603-8322 京都府京都市北区平野宮本町1 |
問い合わせ | 075-461-4450 |
開閉門時間 | 6:00~17:00 |
拝観時期 | 一年中 |
参拝料金 | 無料 |
見学時間の目安 | 約20分 |
参拝順路 | 特になし |
アクセス | 京都市バス「衣笠校前」(15、50、51、52、55、102、202、204、205系統)下車すぐ 京福電鉄北野線「北野白梅町」下車徒歩約17分 |
駐車場 | 東側道路の北東角(17台) |
駐車場料金 | 無料 |
ご利益 | - |
地図 | |
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平野神社の見どころ
平野神社の見どころは、何と言っても桜です。境内には60種類、400本以上の桜が植えられており、約1か月半にわたって桜を楽しむことができます。3月中旬から下旬には魁(さきがけ)、4月上旬から中旬には平野寝覚(ひらのねざめ)や嵐山(あらしやま)、4月中旬から下旬には平野妹背(ひらのいもせ)や御衣黄(ぎょいこう)、4月下旬から5月上旬には平野突羽根(ひらのつくばね)などの桜が次々と開花します。
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東大鳥居
ひがしおおとりい
東大鳥居には「平野皇大神(ひらのすめおおかみ)」の神額が掲げられており、その揮毫は西洞院文昭(にしのとういん よしあき)氏によるものです。
参道
さんどう
参道には桜が植えられています。
東神門
ひがししんもん
東神門です。
拝殿
はいでん
拝殿には、寛文年間(1661~1673年)に近衛基煕(このえ もとひろ)の書と海北友雪(かいほく ゆうせつ)の筆で描かれた三十六歌仙額が天井に飾られています。これは公卿・平松時量(ひらまつ ときかず)の寄進によるもので、1650年(慶安3年)に東福門院が建立しました。
ご神木 大楠
ごしんぼく おおくすのき
ご神木である大楠は、樹齢約400年とされています。
幣殿
へいでん
幣殿です。通常はこちらで参拝します。
本殿
ほんでん
本殿は、春日造の第一殿から第四殿までの四殿が並ぶ形式で、それぞれが合の間で結ばれています。この構造は「平野造」または「比翼春日造(ひよくかすがづくり)」と呼ばれます。祭神として、第一殿に今木皇大神、第二殿に久度大神、第三殿に古開大神、そして第四殿に比賣大神が祀られています。第一殿と第二殿は1626年(寛永3年)に、第三殿と第四殿は1632年(寛永9年)に造立されました。
縣神社
あがたじんじゃ
摂社であり、祭神として天穂日命(あめのほひのみこと)を祀っています。本殿南側の玉垣内に鎮座しています。
春日社・住吉社・蛭子社・鈿女社
かすがしゃ・すみよししゃ・ひるこしゃ・うずめしゃ
左から春日社、住吉社、蛭子社、鈿女社の4社が併祀されています。
八幡社
はちまんしゃ
摂社であり、祭神として応神天皇(おうじんてんのう)を祀っています。江戸時代後期に、後陽成天皇の勅許によって建立されました。
出世導引稲荷社
しゅっせみちびきいなりしゃ
末社で、祭神として稲荷神を祀っています。
猿田彦社
さるたひこしゃ
末社で、祭神として猿田彦を祀っています。
桜苑
さくらえん
桜苑は、「平野の夜桜」として知られています。
南門
なんもん
南門は、1651年(慶安4年)に御所の旧門を下賜されたもので、1942年(昭和17年)に現在の東大鳥居の位置から移築されました。
平野神社の歴史年表
782年 (延暦元年) | 田村後宮の今木大神に従四位を授かる |
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794年 (延暦13年) | 平安遷都と同時に現在地に遷座した。当初は三座を祀っていた。 |
864年 (貞観6年) | 今木皇大神が正一位を授かる |
985年 (寛和元年) | 4月10日、花山天皇が桜を植えた。これにちなんで毎年4月10日に桜花祭が行われるようになる。 |
1467年 (応仁元年) | 応仁・文明の乱後、社殿が後輩する。 |
1626年 (寛永3年) | 西洞院氏によって再興する。 |
1650年 (慶安3年) | 東福門院が拝殿を建立。 |
1651年 (慶安4年) | 御所の旧門を下賜される。 |
1871年 (明治4年) | 官幣大社に列格した。 |
1942年 (昭和17年) | 南門を現在の東大鳥居の位置から移築。 |
平野神社の年間行事
1月1日:歳旦祭
1月3日:元始祭
1月10日:末社蛭子社例祭
1月第2月曜日:成人祭
2月節分:節分祭
2月初午日:稲荷社初午祭
2月11日:紀元祭
2月17日:祈年祭
2月23日:天長祭
3月13日:春日社例祭
3月21日:春季皇霊殿遥拝式
4月2日:例大祭
4月3日:神武天皇遥拝式
4月4日:縣社例祭
4月8日:稲荷社例祭
4月10日:桜花祭
4月10日:花山天皇陵参拝
4月10日:神幸祭 発輦祭
4月10日:神幸祭 還幸祭
4月29日:昭和祭
5月5日:鈿女社例祭
6月30日:住吉社例祭
6月30日:夏越大祓式
9月14日:御鎮座記念祭
9月14日:奉灯祭
9月15日:八幡社例祭
9月23日:秋季皇霊殿遥拝式
9月仲秋の名月:名月祭
10月17日:神嘗祭遥拝式
10月:紫式部祭
11月3日:明治祭
11月5日:猿田彦社例祭
11月23日:新嘗祭
12月31日:大祓式
12月31日:大祓式後 除夜祭
平野神社の周辺情報
北野天満宮(きたのてんまんぐう)まで徒歩2分
金攫八幡宮(きんかくはちまんぐう)まで徒歩5分
金閣寺(きんかくじ)まで徒歩11分
等持院(とうじいん)まで徒歩17分
龍安寺(りょうあんじ)まで徒歩19分
参考
平野神社公式ウェブサイト、週刊 日本の神社 第61号、京都大辞典、京都・山城 寺院神社大辞典