京都の観光旅行ガイド
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両足院

りょうそくいん

両足院は、建仁寺境内の東に位置する塔頭寺院で、西来院と開山堂の間にあります。文林寿郁(ぶんりん じゅいく)が、師である建仁寺第35世・龍山徳見(りゅうざん とくけん)を開基として創建しました。

境内には、通称「半夏生の庭園」と呼ばれる池泉回遊式庭園があり、初夏には半夏生(三白草)が美しく花を咲かせ、特別拝観が行われることから「半夏生の寺」とも称されています。また、龍山徳見の弟子であった林浄因(りんじょういん)が元から日本に饅頭の製法を伝えたことにより、「饅頭始祖の寺」としても知られています。

創建当初は「知足院」と称していましたが、後に両足院と改称されました。この改称は、後奈良天皇の諱「知仁」を避けたためとされています。「両足院」という名前は、仏の十号(十ある尊称)の一つである「両足尊」に由来しており、両足を具えている人間の中で最も尊い存在を意味しています。

正式名称両足院
山号-
宗派臨済宗建仁寺派
本尊阿弥陀如来
所在地〒605-0811 京都府京都市東山区小松町591 建仁寺境内
問い合わせ075-561-3216
参拝時間特別公開による
拝観時期春・夏・冬の特別公開時
参拝料金特別公開による
見学時間の目安30分
参拝順路一方通行
アクセス京都市バス「東山安井」、「南座前」、「祇園」、「清水道」下車(100・206系統)
京阪電車「祇園四条駅」下車 徒歩12分
駐車場北門の近く。
駐車場料金乗用車250円(30分)
ご利益毘沙門天堂:商売繁盛、合格祈願、良縁成就、誓願成就
地図

両足院の見どころ

両足院の見どころの一つに、「半夏生の庭園」として知られる池泉回遊式庭園があります。初夏になると、庭一面に半夏生(三白草)が花を咲かせ、白く色づいた葉と池や石組みが織りなす美しいコントラストが、訪れる人々の目を楽しませます。この時期には毎年特別拝観が行われるため、是非一度訪れてみることをおすすめします。庭園を歩きながら感じる風や光が、日常の喧騒を忘れさせ、心を癒すひとときを提供してくれます。

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山門
さんもん

庫裏
くり

唐門
からもん

方丈
ほうじょう

本尊には阿弥陀如来立像が安置されています。また、方丈前には枯山水庭園である方丈前庭があります。

閼伽井庭
あかいにわ

方丈と庫裏の間に位置しています。閼伽とは、仏膳に供える水のことを指します。

書院
しょいん

向かって右にあるのが書院です。

書院前庭
しょいんまえにわ

通称「半夏生の庭園」とも呼ばれる池泉廻遊式庭園で、江戸中期に茶道家元の藪内家5代・竹心紹智(ちくしん じょうち)が作庭しました。庭園には、織田有楽斎作の茶席「如庵(じょあん)」の写しと伝えられる茶室「水月亭」、および大村梅軒(おおむら ばいけん)好みの茶室「臨池亭」があります。また、京都府の名勝庭園にも指定されています。

毘沙門天堂
びしゃもんてんどう

7cmの毘沙門天像を安置しています。かつて鞍馬寺の毘沙門天像の体内仏でした。戦国武将の黒田長政が、この毘沙門天像を内兜に納めて関ヶ原の戦いに出陣し、武功を挙げたと伝えられています。このことから、毘沙門天像は勝利の神として、商売繁盛や合格祈願、良縁成就、誓願成就の信仰を集めています。

両足院の寺紋
りょうそくいんのじもん

両足院の寺紋は、三日月と星がデザインされています。

両足院の歴史年表

1345~1350年
(貞和年間)
龍山徳見が知足院を創建する。
1358年
(正平元年)
龍山徳見が亡くなり、知足院に葬られる。
1428年
(正長元年)
龍山徳見を開山として文林寿郁が両足院を創建。
1532~1555年
(天文年間)
火災の後、知足院、両足院を併せて両足院と称する事となる。
1589年
(天正17年)
隣接する一華院(開山月舟寿桂)を合併する。
1872年
(明治5年)
養浩庵を併合する。
1888年
(明治21年)
9月、毘沙門堂を庫裏南方に新築。
1910年
(明治43年)
茶室「水月亭(暦の席)」が建てられる。
1926年
(昭和元年)
高台寺にあった茶席「臨池亭」が寄進され、移築。

両足院の年間行事

10月初旬:饅頭祭 - 林浄因碑前

両足院ゆかりの人物

・林浄因(りんじょういん)
元(13世紀末から14世紀のモンゴル帝国)の出身で、龍山徳見に帰依した。1349年に日本を訪れ、饅頭の製法を伝えたことで知られている。その後、彼の末裔が「塩瀬(しおぜ)」という饅頭屋を営み、19代にわたって続いた。現在も、烏丸三条には「饅頭屋町」という地名が残っている。

両足院の周辺情報

清水寺(きよみずでら)まで徒歩16分

参考

両足院公式ウェブサイト、週刊 古寺を巡る44 建仁寺、京都大辞典、塩瀬総本家公式ウェブサイト、コトバンク