京都の観光旅行ガイド
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今宮神社

いまみやじんじゃ

今宮神社は、大徳寺の北側に位置し、「今宮社」や「紫野社」とも呼ばれる疫病除けの神社です。平安時代初期に疫病を鎮めるため、疫神を祀ったことが起源とされています。

「今宮」の名前は、この地に元々あった古い「疫神社」に対して、新しく造営された神社を意味します。

994年(正暦5年)に疫病が流行した際、一条天皇が疫神を神輿に乗せて船岡山に運び、「紫野御霊会」を行いました。この行事が現在の今宮祭の起源とされています。また、1001年(長保3年)の疫病流行時には、船岡山北麓に三宇の神殿が建てられ、「今宮社」と名付けられました。

さらに、京都三大奇祭の一つとされる「安良居祭(やすらいまつり)」は、今宮神社の摂社である疫神社の祭礼です。この祭りは、疫病を祓い、人々の平安を願うものとして知られています。

正式名称今宮神社
祭神大己貴命(おおなむちのみこと)、事代主命(ことしろぬしのみこと)、奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)
所在地〒603-8243 京都府京都市北区紫野今宮町21
問い合わせ075-491-0082(受付時間9:00~17:00)
拝観時期一年中
参拝料金無料
見学時間の目安約40分
参拝順路特になし
アクセス京都市バス「今宮神社前」(46系統)下車すぐ、京都市バス「船岡山」(1、12、204、205、206、北8、M1系統)下車徒歩7分
駐車場あり(今宮神社大和ハウスパーキング44台)
駐車場料金9:00~18:00(最初の60分100円、以降30分100円)、18:00~9:00(60分100円)、※年末年始(12月31日~1月5日)終日60分500円
ご利益健康長寿、良縁開運
地図

今宮神社の見どころ

今宮神社の見どころは、まず「阿呆賢さん(あほかしさん)」と呼ばれる神占石です。これは、病気平癒や願掛けに用いられ、石を撫でたり叩いたりして持ち上げた際、軽く感じられれば願いが叶うとされています。また、春に行われる「やすらい祭」も注目の祭事です。京都三大奇祭の一つとして知られ、疫病を祓うための祭として伝統を感じることができます。さらに、門前の名物「あぶり餅」もおすすめです。一口サイズの餅を炭火で香ばしく焼き、白味噌のタレをかけた素朴で深い味わいは、参拝後にぜひ味わっていただきたい一品です。

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楼門
ろうもん

今宮通に面した楼門です。

拝殿
はいでん

1694年(元禄7年)に造営され、その後、1846年(弘化3年)に改修されました。内部には、2005年(平成17年)の「西陣の日」事業協議会から奉納された西陣織による三十六歌仙の額が飾られています。

本社
ほんしゃ

疫神社
えきじんじゃ

摂社で、素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀っています。今宮神社が創建される以前からこの地に鎮座していた古い社です。

織姫社
おりひめしゃ

織姫社(おりひめしゃ)は、栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)を祭神として祀っています。織物の祖神とされ、七夕伝説に登場する織姫(織女)に機織りを教えたとも伝えられています。もともとは堀川通を挟んで白雲村と村雲村で祀られていましたが、江戸時代に西陣の機織業者たちによって今宮神社の境内に移されました。

八社
はっしゃ

大国社、蛭子社、八幡社、熱田社、住吉社、香取社、鏡作社、諏訪社の八社を祀っています。これらの社は元禄再興期に末社を合祀して建立されたと伝えられており、1694年(元禄7年)頃に建てられたとされています。

阿呆賢さん
あほかしさん

神占石(かみうらいし)とも呼ばれます。この石に心を込めて病気平癒を祈り、手で軽く撫でてから体の悪い部分を摩ると、健康が回復するといわれています。また、重軽石(おもかるいし)とも称され、次の方法で願掛けを行います。手のひらで石を三度叩き、持ち上げる。次に願い事を込めながら、石を三度撫でて再び持ち上げる。もし石が軽く感じられれば、その願いが成就するとされています。

紫野大将軍社
むらさきのたいしょうぐんしゃ

織田稲荷社
おだいなりしゃ

織田信長とその家臣を祀る社です。もともとは上京区元伊佐町にあった阿弥陀寺の跡地に建立されたと伝えられています。この阿弥陀寺は、本能寺の変で討たれた信長とその家臣たちを葬った場所とされています。その後、豊臣秀吉の都市改造により阿弥陀寺が上京区鶴山町に移されたため、その跡地に織田稲荷社が鎮座しました。そして1987年(昭和62年)に現在の地に遷座されました。

紫野稲荷社
むらさきのいなりしゃ

宇迦御魂命(うがのみたまのみこと)を祀る。

地主稲荷社
じしゅいなりしゃ

地主稲荷社は、1842年(天保13年)に建立されました。祀られている神々は、倉稲魂大神(うがのみたまのおおかみ)と猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)です。この社は、この地を守護する地主神として地域の守り神として信仰されています。

月読社
つきよみしゃ

1910年(明治43年)に建立されました。月読尊(つきよみのみこと)を祀ります。

絵馬舎
えましゃ

宗像社
むなかたしゃ

神馬舎
しんめしゃ

白い神馬が祀られています。

今宮神社の歴史年表

994年
(正暦5年)
疫病の流行に際し、一条天皇は疫神を神輿に乗せ、船岡山に安置し、御霊会を行った。
1001年
(長保3年)
天皇が神殿三宇を造営して今宮社と称した。
1694年
(元禄7年)
江戸幕府第5代将軍徳川綱吉の母・桂昌院(けいしょういん)が荒廃していた社殿を再建。
1896年
(明治29年)
社殿を焼失する。
1902年
(明治35年)
社殿を再建。

今宮神社の年間行事

1月1日:歳旦祭

1月19日:疫神社疫神祭

2月3日:節分祭

2月17日:祈年祭

4月第2日曜日:やすらい祭

5月5日:今宮祭神幸祭

5月5日~15日前後の日曜日:今宮祭湯立祭

祭礼期間中1日:今宮祭還幸祭

6月30日:夏越祓

7月23日:大将軍社例祭

8月7日:織姫社七夕祭

10月8日:例大祭前夜祭

10月9日:例大祭

11月11日:織姫社西陣の日

11月23日:新嘗祭

11月23日:大将軍社火焚祭

12月第1日曜日:地主稲荷社火焚祭

12月31日:除夜祭

今宮神社の周辺情報

大徳寺(だいとくじ)まで徒歩3分

建勲神社(たけいさおじんじゃ)まで徒歩16分

参考

今宮神社公式ウェブサイト、京都府神社庁ウェブサイト、京都大辞典、京都大知典、京都・山城 寺院神社大辞典、京都の寺社505を歩く(下)