伏見稲荷大社火焚祭

ふしみいなりたいしゃひたきさい

伏見稲荷大社火焚祭

伏見稲荷大社の火焚祭は、毎年11月8日に斎行される伝統的な神事です。別名「鞴祭(ふいごまつり)」とも呼ばれ、秋の収穫を終えたこの時期に、五穀豊穣をはじめ万物を育む稲荷大神への感謝を捧げ、山へと神をお送りする意味を持つ火の祭として受け継がれてきました。

火焚神事では、全国の崇敬者から奉納された数十万本にも及ぶ火焚串(ひたきぐし)が焚き上げられ、罪障消滅と万福招来を祈願します。

正式名称火焚祭
日時11月8日 13:00
場所伏見稲荷大社:〒612-0882 京都府京都市伏見区深草藪之内町68
観覧無料
問い合わせ075-641-7331
地図

伏見稲荷大社火焚祭の見どころ


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本殿神事
ほんでんしんじ

当日は13時頃より、本殿にて神事が執り行われます。まず、参列者の身を清める祓いが行われ、続いて祝詞が奏上されるなど、厳粛な神事が一連の作法に則って進められます。神事終了後は、場所を神苑斎場へと移し、祭儀が続けられます。

伏見稲荷大社火焚祭の庭燎床
庭燎床
ていりょうどこ

庭燎床は、丸太を井桁状に組み上げた造りで、1基あたりおよそ2メートル四方、高さは約1・5メートルあります。神苑斎場には、この庭燎床が3基設けられ、ここで火焚串とともに、抜穂祭にて刈り取られた稲の藁が焚き上げられます。

庭燎床を祓う様子
はらえ

神苑斎場に設けられた庭燎床は、火焚神事に先立ち、丁重に祓い清められます。これにより、神聖な場として整えられたうえで、火焚神事が執り行われます。

庭燎床に着火する様子
着火
ちゃっか

三基設けられた庭燎床には、合図とともに同時に火が入れられます。

伏見稲荷大社火焚祭の火焚神事
火焚神事
ひたきしんじ

14時頃になると、神苑斎場において火焚神事が執り行われます。全国の崇敬者から奉納された、数十万本にも及ぶ火焚串は、庭燎床にて一斉に焚き上げられます。神職や参詣者は大祓詞(おおはらえことば)を唱え、罪障消滅と万福招来を祈願します。また、抜穂祭で刈り取られた稲の藁に宿るとされる稲荷大神の御霊(みたま)を焚き上げることで、大神を稲荷山へとお還しする意味も込められています。

伏見稲荷大社火焚祭の神楽舞
神楽舞
かぐらまい

大祓詞が唱えられた後には、神楽女による神楽舞が奉納されます。舞が終わると再び大祓詞が奏上され、この大祓詞と神楽舞は交互に、合わせて3度繰り返されます。

御神楽
みかぐら

18時頃からは、神前にて庭燎を焚く神事が執り行われます。この神事は、1543年(天文12年)以降、長らく中絶していましたが、1862年(文久2年)に再興されました。古代の鎮魂祭に基づく神事で、本歌・末歌の奉唱に続き、和琴、笛、篳篥(ひちりき)による雅楽が奏でられます。その後、早韓神(はやからかみ)の曲に合わせて人長舞が舞われます。

参考

伏見稲荷大社公式ウェブサイト、日本の古社 伏見稲荷大社

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