平等寺
びょうどうじ

平等寺は、1003年(長保5年)に創建された真言宗智山派の寺院で、「因幡堂(いなばどう)」や「因幡薬師(いなばやくし)」の名でも親しまれています。本尊の薬師如来像は、日本三如来の一つに数えられる霊験あらたかな仏像です。
また、平等寺は数々の霊場巡りの札所としても知られています。京都十三佛霊場の第7番札所、京都十二薬師霊場の第1番札所、そして洛陽三十三所観音霊場の第27番札所に指定され、多くの参拝者が訪れます。
因幡堂縁起によれば、平安時代後期、敏達天皇(びたつてんのう)の皇子である橘行平(たちばな の ゆきひら)が因幡国(現在の鳥取県)に赴いた際、夢のお告げを受け、賀留津(かるつ)の海中から薬師如来像を引き上げ、仮堂に安置しました。しかし、行平が帰郷する際、不思議にも薬師如来像が京都の烏丸高辻の邸宅に飛来したため、この地に安置しました。これが平等寺の起こりと伝えられています。
さらに、平等寺は浄瑠璃発祥の地としても知られ、芸能や文化の歴史にも深く関わる由緒ある寺院です。
正式名称 | 福聚山 平等寺(ふくじゅさん びょうどうじ) |
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山号 | 福聚山(ふくじゅさん) |
宗派 | 真言宗智山派 |
本尊 | 薬師如来 |
所在地 | 〒600-8415 京都府京都市下京区因幡堂町728 |
問い合わせ | 075-351-7724 |
拝観時期 | 6:00〜17:00(祈祷・納経などの対応は9:00~16:00) |
見学時間の目安 | 30分 |
参拝順路 | 特に決められていません |
アクセス | 京都市バス「烏丸松原」(5、26、43、58系統)下車すぐ 市営地下鉄「五条駅」下車 徒歩5分 阪急電鉄「烏丸駅」下車 徒歩5分 |
駐車場 | なし |
ご利益 | 病難厄除、がん封じ、子授け、勝運 |
地図 | |
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平等寺の見どころ
平等寺の見どころといえば、やはり「ずきんのお薬師さん」として親しまれる薬師如来立像です。ただ、普段は公開されていないので、特別公開の機会を見つけて訪れてみてください。
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南門
みなみもん
境内への入口となる南門には、提灯が掛けられています。参拝の際は、この門をくぐり、境内へと足を踏み入れます。

本堂
ほんどう
本尊である薬師如来立像が安置されています。この本堂は「因幡堂」とも呼ばれ、古くから多くの信仰を集めてきました。また、本堂の右側には子授け地蔵菩薩が祀られており、安産や子宝を願う人々の篤い信仰を受けています。

薬師如来立像
やくしにょらいりゅうぞう
本尊の薬師如来立像は、平安時代の仏師・康正(こうしょう)の作と伝えられ、日本三如来の一つに数えられています。度重なる火災から守るため、すぐに運び出せるよう車輪のついた厨子の中に安置されています。また、頭部を傷つけないように頭巾をかぶせられており、そのことから「ずきんのお薬師さん」として人々に親しまれています。

観音堂
かんのうどう
観音堂には、2体の十一面観音菩薩が安置されています。また、堂内には弘法大師空海の像、不動明王、さらに修験道の開祖である役行者の像なども安置されています。

十一面観音菩薩
じゅういちめんかんのんぼさつ
2体の十一面観音菩薩像です。もともと北野天満宮に祀られていましたが、廃仏毀釈の影響を受け、一時は東寺の観智院に移されました。その後、平等寺へと遷され、現在に至ります。

歓喜天堂
かんきてんどう
夫婦円満や子授けのご利益があるとされている歓喜天が祀られています。

地蔵堂
じぞうどう
地蔵菩薩像を安置しています。

十九所権現(十九社明神)堂
じゅうくしょごんげんどう
1.天照大神、2.八幡、3.春日、4.賀茂、5.祇園、6.愛宕権現、7.松尾、8.熊野、9.北野、10.山王、11.住吉、12.摩利支天、13.妙音、14.辨天、15.白鬚、16.多賀、17.平野、18.御霊、19.蛭子(一童御前)が祀られています。

閻摩天(焔魔天)
えんまてん
閻摩天(焔魔天)は、生前の行いを見極め、賞罰を与えるとされています。密教においては、除病や息災、延寿を祈る対象ともなっています。

因幡薬師伝承館
いんばやくしでんしょうかん
歴史的な資料を展示する施設です。館内には、高倉天皇の寵愛を受けた小督局(こごうのつぼね)が奏でた琴や硯筥(すずりばこ)、さらに、小督局の髪が織り込まれた光明真言などが収められています。
平等寺の歴史年表
959年 (天徳3年) | 橘行平が夢告により、因州(鳥取県)の海中より薬師如来像を引き上げ、仮堂に祀る。 |
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1003年 (長保5年) | 行平が因州から京都に帰郷の際、後を追ってきた薬師如来像を邸宅に祀り、因幡堂とする。開山は行平の孫の光朝。 |
1097年 (承徳元年) | 1月、焼亡した。 |
1103年 (康和5年) | 11月、焼亡した。 |
1108年 (嘉承3年) | 2月、焼亡した。 |
1143年 (康治2年) | 10月、焼亡した。 |
1153年 (仁平3年) | 4月、焼亡した。 |
1159年 (平治元年) | 11月、焼亡した。 |
1171年 (承安元年) | 高倉天皇より勅願を賜り、「平等寺」と号した。 |
1177年 (安元3年) | 4月、焼亡した。 |
1246年 (寛元4年) | 6月、焼亡した。 |
1249年 (建長元年) | 3月、焼亡した。 |
1391年 (元中8年) | 11月、焼亡した。 |
1434年 (永享6年) | 2月、焼亡した。 |
1886年 (明治19年) | 再建される。現在の建物。 |
平等寺の年間行事
1月1日:元朝護摩
1月8日:初薬師
2月3日:節分法要
4月8日:花祭り
8月2日頃~8月16日:お盆 施餓鬼法要
8月23日に近い土日:地蔵盆
9月彼岸中の日曜日:神佛御璽祭
10月8日:狂言会
12月8日:終い薬師
参考
平等寺公式ウェブサイト、京都大辞典、京都・山城 寺院神社大辞典、第59回 京の冬の旅 非公開文化財特別公開ガイドブック、昭和京都名所圖會 5 洛中、京都古社寺辞典
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