渉成園(枳殻邸)燕申堂
しょうせいえん(きこくてい)えんしんどう

燕申堂(えんしんどう)は、東本願寺の飛地境内にあたる庭園・渉成園の中に佇む建物で通常非公開です。かつては東本願寺歴代門主の隠居所として用いられてきました。建物は数寄屋風の二階建てで、二階部分は「風月楼(ふうげつろう)」と名付けられています。ここからは渉成園の景観を一望できますお。また、燕申堂の見どころの一つに、燕の釘隠しがあり、燕の姿が一つ一つ異なる形であしらわれています。
各部屋には「驟雨(しゅうう)」や「橘山(きつざん)」などの名が付けられ、それぞれ茶席として利用できるようになっています。柱には高級木材であるトガ材が用いられています。
地図 | |
---|---|
渉成園(枳殻邸)燕申堂の見どころ
Scroll ▶▶

表門
おもてもん
燕申堂の表門は、渉成園内の正規の見学順路とは異なる位置にあります。高石垣を左に折れ、その石垣に沿って歩いたのち、右へ曲がった先の右手に表門があります。

外観
がいかん
燕申堂を外側から見た様子です。建物は数寄屋造りの二階建てで、二階部分には「風月楼(ふうげつろう)」という名が付けられています。

一の間
いちのま

欄間の菊
らんまのきく
一の間と二の間のあいだに設けられた欄間には、胡粉を施した菊の模様があしらわれています。

橘山の間
きつざんのま

網代天井
あじろてんじょう
橘山(きつざん)の間と驟雨(しゅうう)の間には廊下があり、その天井は網代天井になっています。網代天井とは、細く割った木材を斜めや縦横に編み込み、天井に張り上げたものをいいます。

驟雨の間
しゅううのま

手水鉢
ちょうずばち
かつて上京区にあった出雲寺の三重塔の礎石を利用したと伝えられる、大きな手水鉢です。

燕の釘隠し
つばめのくぎかくし
銀製の燕の釘隠しは、一つひとつ姿が異なり、その数は37に及びます。
渉成園(枳殻邸)燕申堂の歴史年表
- (明治20年代) | 明治20年代前半に建てられた。 |
---|---|
1864年 (元治元年) | 禁門の変(蛤御門の変)で焼失。 |
1890年 (明治23年) | 再建された。 |
参考
コメントを投稿
コメントはお気軽にどうぞ
[1] 匿名さん さん 投稿日: 2025-09-30 09:25:28
京の夏の旅で訪れました。京都検定1級のガイドの方が燕の釘隠しがいくつあるかは、わからないとおっしゃってました。ネットでは27個というのが散見されますが、見学したところだけでも30個はありました。