旅する蝶に会いに。大原野神社の藤袴とアサギマダラ
投稿日: 2025年10月13日

10月13日。昨日の記事でも書いたとおり、今日は朝からアサギマダラの写真を撮りに行ってきました。
「アサギ」とは浅い青色のこと。その名のとおり、アサギマダラの翅は淡い水色を帯びています。アサギマダラは「旅する蝶」として知られ、長距離を移動する大型の蝶です。秋になると日本各地から南下し、南西諸島や台湾、時には香港まで海を越えて渡っていきます。春から初夏にはその逆のルートで北上し、2000キロ以上移動した個体も確認されています。
今の季節、アサギマダラはその長い旅の途中で、藤袴(ふじばかま)の花に立ち寄ることがあります。オスのアサギマダラは性フェロモンを作るため、藤袴の蜜に含まれるピロリジジンアルカロイドという成分を摂取する必要があると考えられています。そのため、藤袴に群がっているのはほとんどがオスなんですね。
今回の目的地は大原野神社。本殿右手の一角には藤袴が植えられており、秋には淡い紅色の花を咲かせて甘い香りを漂わせます。藤袴は秋の七草のひとつで、古くから和歌にも詠まれてきた花です。
しかし、京都では一時、河川の整備や開発の影響で野生の藤袴がほとんど見られなくなりました。そんな中、富山県中央植物園の橋屋誠研究員が大原野の明治池周辺で京都在来の藤袴を発見。採取した株を富山で増やし、その子孫が再び大原野神社へ戻されました。そこから京都市内各地へと広がっていったそうです。
大原野神社に到着したのは朝9時ごろ。すでに5〜6頭のアサギマダラが、藤袴のまわりを優雅に舞っていました。ひらひらと軽やかに飛ぶ姿は本当に美しく、こんな儚げな蝶が何千キロもの距離を旅するなんて、目の前で見ても信じがたいほどです。
アサギマダラはおそらく、あと1週間ほどは見られるのではないでしょうか。ご興味のある方は、ぜひ早めに訪れてみてください。ちなみに、アサギマダラは気温が15〜25度くらいになると活動が活発になるそうです。日中よりも、朝や夕方の時間帯がおすすめですよ。
匿名さん - 2025年10月13日 23:31
アサギマダラ綺麗!羨ましい!