今日は夜の散歩に木屋町を選んでみました。こないだまでの猛暑が嘘のように、9月18日の夜はとても涼しく、過ごしやすい気候でした。

木屋町といえば、京都の人にはおなじみの繁華街。居酒屋やカラオケが立ち並び、京都市外から訪れた人でも一度は足を運んだことがあるのではないでしょうか。名前の由来は、昔このあたりに材木屋が多かったことからだそうです。近くにある「酢屋」もその一つで、幕末には坂本龍馬が身を隠していたと伝わっています。

木屋町に沿って流れているのは、高瀬川という小さな川。江戸時代初期に角倉了以(すみのくら りょうい)が掘削した運河で、鴨川と並行して十条まで流れ、その後は鴨川を横断して伏見へと通じています。明治時代までは高瀬舟が荷物を積んで往来し、大阪からの物資などを運んでいました。荷物の積み下ろしに使われた場所を「舟入」と呼び、写真の「一之舟入」もその一つです。高瀬川にはこのような舟入がいくつもあります。

そこから南へ歩いていくと、右手に「佐久間象山・大村益次郎遭難之碑」が現れます。佐久間象山(さくま しょうざん)は幕末の思想家で開国論を唱えていましたが、攘夷派に狙われ、この木屋町で暗殺されました。その暗殺者・河上彦斎(かわかみ げんさい)は、漫画『るろうに剣心』の主人公・緋村剣心のモデルといわれています。

一方、大村益次郎(おおむら ますじろう)は長州藩に仕えた天才的な兵学者で、近代的な軍隊の基礎を築いた人物です。戊辰戦争でも活躍しましたが、明治時代に入ってから反対派の士族に襲われ、この地の旅館で命を落としました。ちなみに漫画つながりで言えば、『お〜い!竜馬』に登場する大村益次郎は、天才でありながら少しコミカルに描かれていて、読んでいて楽しいですよ。

木屋町には幕末の史跡がまだまだ点在していて、歩くだけで当時の雰囲気を感じられる場所です。歴史好きの方は、ぜひ訪れて史跡めぐりを楽しんでみてください。では今日はこのへんで。